科学者になるには?小学生の今からできる進路の考え方と将来の仕事
子どもが科学者に興味を持ち始めた時「理系が得意でないと無理なのでは」「特別な才能が必要なのでは」と不安を感じるかもしれません。
科学者は、日々の疑問を大切にし、学びを積み重ねていく中で、少しずつ近づいていく職業です。この記事では、科学者の仕事内容や進路を整理しながら、小学生の今からできることや保護者の関わり方を紹介します。
科学者とは?答えのない問いに向き合う仕事

科学者とは「まだはっきりわかっていないこと」に向き合い、調べ、考え、検証する仕事です。
すぐに正解が出る問題を解くのではなく、仮説を立てて確かめることを何度も繰り返します。
そのため、学校のテストとは違う力が求められる職業でもあります。
科学者の主な仕事内容
科学者の仕事は
- 研究テーマを決める
- 実験や調査を行う
- 結果をまとめて発表する
という流れで進みます。
研究対象は、自然現象の仕組みを調べたり、新しい材料や技術を開発したりとさまざまです。
実験や観察だけでなく、論文を読んで先行研究を理解したり、データを整理して考察したりする時間も多くあります。
黙々と作業する印象を持たれがちですが、実際にはチームで議論したり、研究成果を説明したりする場面も少なくありません。
考える力と伝える力の両方が必要な仕事だと言えるでしょう。
科学者が働いている場所(大学・研究機関・企業)
科学者が働く場所として代表的なのが、大学や国の研究機関です。
大学では、研究と並行して学生を指導する役割も担います。
研究機関では、特定の分野に特化した研究に長い期間取り組む傾向があります。
他にも科学者として働ける場所が、企業の研究所です。
新しい商品や技術の開発に関わり、社会に直接役立つ成果を目指します。
同じ科学者でも、働く場所によって仕事の進め方や目的が異なる点は、親子で知っておきたいポイントです。
科学者の人数や年収の目安
文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が2024年に発表した「科学技術指標」によると、日本における科学者の人数は、約70.6万人です。
また、令和6年に厚生労働省が行った民間給与実態統計調査によると、学術研究に携わる方の平均年収は、424万円です。
ただし、年収については、研究分野や、勤務先、経験年数によって幅があります。
年収だけでなく、研究内容や働き方に納得できるかどうかが、長く続けるうえでは重要です。
科学者になるには?学びと進路の考え方

科学者になる道は一つだけではありません。
小学生の頃から明確に決める必要はなく、成長に合わせて選択肢を広げていきましょう。
大切なのは「学び=将来につながる」という感覚を少しずつ育てることです。
ここでは、小学生・中学生・高校生・大学以降と段階ごとに、意識しておきたい進路の考え方を整理します。
小学生のうちに大切にしたいこと
小学生の時期に最も大切なのは、知識を詰め込むよりも「不思議だな」「もっと知りたい」と感じる気持ちを大切にすることです。
理科の実験や自然観察、図鑑を見る時間は、その土台になります。
この段階で進路を科学者に決める必要はありません。
幅広い経験を通して興味の芽を育てることが重要です。
失敗しても試してみる姿勢が、後の学びにつながっていきます。
中学生・高校生で少しずつ考えたい進路のこと
中学生・高校生になると、理科や数学がより専門的になります。
この時期は「得意・不得意」で自分を決めつけてしまいがちですが、興味が続くかどうかを軸に考えることが大切です。
部活動や課外活動、科学イベントへの参加などを通じて、自分の関心を深めていくのも一つの方法です。
進路は修正できるものなので、完璧な選択を求めすぎない姿勢が安心につながります。
大学・大学院で専門分野を学ぶ
科学者を目指す場合、多くは大学で理系分野を学び、その後大学院に進学します。
大学院では、自分の研究テーマを持ち、より専門的な研究に取り組みます。
専攻や進学のルートは多様です。
学部で決めた分野がそのまま一生続くわけではなく、途中で関心が変わることも珍しくありません。
学び続ける姿勢そのものが、科学者への道を支えてくれます。
科学者になるには?問い続ける力が必要

科学者に共通して求められるのは「問い続ける力」です。
これは特別な才能ではなく、日常の中で育てていけるものです。
成績だけでは測れない力が、研究の現場では重視されます。
ここでは、科学者に必要とされる代表的な力を三つに分けて整理し、小学生のうちからどのように育てられるかを考えます。
学ぶ原動力の好奇心・探究心
科学者の出発点は「なぜだろう」という素朴な疑問です。
好奇心や探究心があるからこそ、時間をかけて調べ続けることができます。
これは、生まれつきの性格だけで決まるものではありません。
日常の会話や体験の中で「気づいたことを言葉にする」習慣を持つことで、好奇心は育ちます。
小さな疑問を大切にする姿勢が、学ぶ意欲につながります。
たとえば、散歩中に「この花、なんでこんな色なの?」と子どもが言ったとき、すぐに答えを教える必要はありません。
「ほんとだね。どうしてだと思う?」「ほかにも同じ色の花、あるかな?」と問いを返すだけで、考える時間が生まれます。
また、テレビや図鑑を見ているときに「今の話、どこが一番おもしろかった?」と感想を聞くのも効果的です。
疑問や気づきを言葉にする経験を重ねることで「知りたい」「調べたい」という気持ちが育ち、その気持ちが学びの原動力になっていきます。
じっくり考える粘り強さ
研究は、すぐに成果が出るとは限りません。
何度も試して、うまくいかない原因を考え直す必要があります。
そのため、粘り強く取り組む力が欠かせません。
この力は、勉強だけでなく、工作や遊びの中でも育てられます。
たとえば、おうちでの工作に時間がかかってしまったとき。
「もう終わりにしようか」と切り上げるのではなく「どこが難しかった?」「少し形を変えたらどうなるかな?」と、あと少し続けられるように声をかけてみましょう。
途中で投げ出さずに考え続けた経験は「すぐに答えが出なくても大丈夫」という感覚を育むことにつながります。
最後までやり切ることそのものよりも、試行錯誤した過程を認めることが、研究に必要な粘り強さを育ててくれるでしょう。
失敗を学びにつなぐ前向きな考え
科学の世界では、失敗は珍しくありません。
むしろ、失敗から学ぶことが次の発見につながります。
失敗を否定せず「次はどうするか」を考える姿勢が重要です。
テストで思うような点数が取れなかったときも結果だけを見るのではなく「どこまではできていた?」「次はどこを工夫したらよさそう?」と過程に目を向ける声かけをしてみましょう。
失敗を責められない経験を重ねることで、子どもは「間違えても考え続けていい」と感じられるようになります。
この安心感が、挑戦を続ける力となり、科学者に必要な前向きな思考につながっていきます。
子どもが間違えたときでも、結果だけを評価しない関わり方が、前向きな考え方を育てます。
科学者になるには?将来の仕事と選択肢

科学者を目指して学んだ経験は、研究職はもちろんのこと、それ以外の仕事にも活かせます。
科学者を目指す過程で身につく好奇心や探究心、粘り強さや、失敗を次に繋げる力は、多くの分野で求められています。
ここでは、研究を続ける道と、企業や別の職種へと広がる選択肢も紹介。
将来を一つに決めすぎず、柔軟に考えられる視点を持つことが、将来の選択肢を広げることにつながります。
研究機関や大学で研究を続ける仕事
大学や研究機関で働く科学者は、基礎研究を中心に、長期的な視点で研究テーマに取り組みます。
すぐに社会に役立つ成果が出なくても「新しい知識を明らかにすること」自体に価値がある仕事です。
そのため、一つのテーマを何年もかけて深く掘り下げる姿勢が求められます。
また、大学では研究だけでなく、学生への指導や授業を担当することもあります。
自分の研究内容をわかりやすく伝える力や、次世代を育てる視点も重要になります。
研究に集中できる環境で働きたい人に向いていますが、ポストの数が限られている点や、成果が評価につながる厳しさも知っておく必要があります。
企業で研究や開発に関わる仕事
企業で働く科学者は、新しい製品や技術の開発に直結する研究を行います。
素材開発、医薬品、食品、IT分野など、研究テーマは幅広く、成果が商品やサービスとして形になる点が特徴です。
自分の仕事が社会にどう役立っているかを実感しやすい環境だと言えるでしょう。
一方で、研究はチームで進めることが多く、期限やコストを意識した進行が求められます。
純粋な探究だけでなく、調整力やコミュニケーション力も重要です。
研究者としての専門性を活かしながら、組織の一員として働くことに魅力を感じる人に向いているといえそうです。
科学的な考え方を活かせる仕事
科学的な考え方とは「感覚や思い込みだけで判断せず、根拠をもとに考え、検証しながら結論を出すこと」を指します。
問題が起きたときに、すぐに答えを決めつけるのではなく「原因は何か」「他の可能性はないか」と複数の視点から整理できる力を持っています。
また、仮説を立てて行動し、結果を振り返って次に活かす姿勢も科学的な考えの特徴です。
データや事実をもとに説明できるため、周囲を納得させるコミュニケーションがしやすく、チームでの仕事にも強みを発揮します。
このような力は、データ分析、教育、行政、企画職、ライターなど、分野を問わず求められています。
科学者にならなくても「考え方そのもの」が社会で活きるという点は、保護者がぜひ知っておきたい視点です。
科学者を目指して学んだ過程が、そのまま将来の土台になります。
科学者になるには?保護者ができる関わり方

子どもの興味を伸ばすために、特別な教育環境が必要なわけではありません。
日常の関わり方が、大きな影響を与えます。
家庭でできるサポート
家庭でのサポートは、特別な教材や英才教育である必要はありません。
たとえば、子どもが図鑑を開いているときに「これ、どこに住んでいるんだろうね」「なんでこの色なんだと思う?」と一緒にページを眺めるだけでも十分です。
大切なのは、保護者が「教える人」になるのではなく「一緒に考える人」になること。
夕食中に「今日学校で不思議だったことある?」と聞いたり、散歩中に「この葉っぱ、さっきのと形が違うね」と声をかけたりするだけで、子どもの観察力は自然と育ちます。
分からないことが出てきたら、その場で答えを出そうとせず「あとで一緒に調べてみようか」と提案する姿勢が、学びを日常に根づかせるサポートになります。
子どもの「なぜ?」を一緒に楽しむ姿勢
子どもの「なんで?」「どうして?」は、科学的思考の芽そのものです。
このときに意識したいのが、正解を急がないこと。
「それは〇〇だからだよ」とすぐに答えるよりも「どうしてそう思ったの?」「ほかの理由はありそう?」と問い返すことで、考える時間を共有できます。
たとえば「雨のあとに虫が出てくるのはなぜ?」と聞かれたら「どうしてだと思う?」と子どもの考えを最後まで聞き、途中で否定しないことが重要です。
的外れに見えても「面白い考え方だね」と受け止めることで、疑問を持つこと自体が肯定されます。
こうした関わりの積み重ねが「分からないことを考え続けていい」という姿勢を育て、科学者に必要な探究心につながっていきます。
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科学者になるには?親子で科学に親しめる参考書・資料

難解な専門書を用意する必要はありません。
小学生向けの読みやすい本や、保護者も一緒に楽しめる図鑑・読み物を選ぶことで、科学は勉強ではなく、日常の延長として自然に根づいていきます。
同じ本を読み、同じページを見ながら「これ面白いね」「どう思う?」と感じたことを共有してみましょう。
その時間は、子どもにとって「考えることは楽しい」「学びは一人でやらなくていい」という安心感につながります。
小学生向けのおすすめ科学本
小学生には「すごい発見をした人」や「考え方そのもの」に触れられる本がおすすめです。
『日本のスゴイ科学者 29人が教える発見のコツ』(朝日小学生新聞)

日本を代表する科学者たちが、どんな疑問を持ち、どう考えてきたかをやさしい言葉で紹介しています。
「頭がいいからできた」ではなく「疑問を大切にしたから発見につながった」ことが伝わるため、子どもが自分を重ねやすい一冊です。
『日本のスゴイ科学者 29人が教える発見のコツ』
『角川まんが学習シリーズ まんがで名作 これから科学者になる君へ』

寺田寅彦のエッセイをもとに、科学的なものの見方を物語として学べます。
読み終えたあとに「どの考え方が面白かった?」と声をかけると、思考を言葉にする練習にもなります。
『角川まんが学習シリーズ まんがで名作 これから科学者になる君へ』
親子で楽しめる読み物・図鑑
親子で使うなら、年齢に応じて読み方を変えられる資料が便利です。
『小学館の図鑑NEOシリーズ』

写真やイラストが豊富なため、低学年は「見るだけ」高学年は「読む・調べる」と段階的に活用できます。
休日に一緒にページをめくり「これ知ってる?」「どこで見たことあるかな」と会話を広げるだけでも、観察力が育ちます。
『小学館の図鑑NEOシリーズ』
『科学のなぜ?新事典』

こちらはQ&A形式の本。「今日は1つだけ調べてみよう」と気軽に使えるのが魅力です。
疑問が出たときにすぐ図鑑や本で調べられる環境をつくることで「分からないことは調べていい」という学びの習慣が自然と身についていきます。
『科学のなぜ?新事典』
科学者になるには今の興味を大切にする

科学者になるには、日常の中でふと感じる「おもしろい」「どうしてだろう」という小さな興味を見過ごさないことが大切です。
急いで答えを出させるのではなく、疑問を持つこと自体を肯定する姿勢でいられるといいですね。結果が出なくても、途中で興味が変わっても、その過程で身につく考える力や観察する視点は、どんな進路を選んでも役立ちます。
「今はこれが好きなんだね」と子どもの関心を受け止めることが、科学への入り口であり、学びを前向きに続ける土台になってくれるでしょう。
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