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SDGs14「海の豊かさを守ろう」の取り組み事例|世界と日本の取り組みをわかりやすく解説

社会・SDGs
公開日:2021年7月3日 更新日:2026年7月6日
SDGs14「海の豊かさを守ろう」の取り組み事例|世界と日本の取り組みをわかりやすく解説

SDGs14の実現に向けて、日本や世界ではさまざまな取り組みが行われています。

この記事では、日本や世界で行われているSDGs14の取り組みを、企業の事例も交えながら分かりやすく紹介します。

国や企業がどのような取り組みを行っているのかを知ることで、さらにSDGs14への理解が深まるでしょう。

SDGs14を達成するため、ぜひ参考にしてください。

もくじ

    SDGs14「海の豊かさを守ろう」とは?

    ここでは、SDGs14「海の豊かさを守ろう」の基礎知識について改めて確認していきましょう。
    目標内容に加え、海の現状や課題についても紹介します。

    海の資源を守り豊かさを持続するための目標

    「SDGs 14.海の豊かさを守ろう」は、海洋環境を守り、海の豊かさを持続させるための目標です。

    海は、私たち人間や動物、森林など、あらゆる命の源です。
    海洋ごみを減らして海洋汚染を削減することや、海洋生態系を持続的に管理・保護すること、過剰漁業や規制に反する漁業をなくすことなどが掲げられています。

    SDGs14が必要とされる海の現状と課題

    SDGs14が必要とされている背景には、深刻な海の現状と課題があります。

    海洋プラスチックごみの増加や流出した油などによる海洋汚染、水産資源の減少、海洋酸性化や温暖化によるサンゴ礁の白化現象など、さまざまな課題が深刻化しています。

    対策を講じなければ、多くの海の生き物がすみかを失い、生息数の減少や絶滅のおそれがあります。
    生物多様性の損失につながるだけでなく、漁業者の収入減少や観光業の衰退、さらには気候変動の加速など、私たちの暮らしにもさまざまな影響が生じるでしょう。

    SDGs14については、以下の記事でも詳しく解説しています。
    SDGs14「海の豊かさを守ろう」とは?現状・課題と家庭でできる取り組み 

    世界で進むSDGs14の主な取り組み

    ここでは、SDGs14を実現するために世界で進められている取り組みを紹介します。
    私たちにできることを考えるきっかけにもなるでしょう。

    海洋プラスチックごみの削減と回収

    DGs14達成に向け、世界中で海洋プラスチックごみの削減や回収に向けた取り組みが進められています。

    たとえば、EUでは「EUプラスチック戦略」を策定し、リサイクルの推進やプラスチックごみの削減に注力。
    この戦略では、2030年までにすべてのプラスチック容器包装材を再使用・リサイクル可能にすることや、欧州で発生する廃プラスチックの半分以上をリサイクルすることを目標としています。

    一方、アメリカでは、2021年に国家リサイクル戦略を策定しました。
    リサイクル率の向上や環境負荷の軽減を目指し、循環型社会の実現に向けた取り組みが行われています。
    この戦略を通じて、リサイクル可能な製品の拡大やリサイクルシステムの強化に努めています。

    参照元:環境庁「EUの政策概要」EUプラスチック戦略ジェトロ

    海洋プラスチックごみについては、以下の記事も参考にしてください。
    【SDGs14.海の豊かさを守るために…】海洋プラスチックについて考えてみよう! 

    持続可能な漁業の推進

    SDGs14の達成には、持続可能な漁業を推進することも重要です。

    そのため、規制に反する漁業(Illegal, Unreported and Unregulated:違法・無報告・無規制漁業)の撲滅に向けて、国家や国際機関ではさまざまな対策が講じられています。
    たとえば、IUU漁業が疑われる漁船への調査や取り締まり、船舶の入港拒否や検査などの対策があります。

    IUU漁業をなくしていけば、過剰漁業や違法操業を抑制し、海洋生態系や豊かな水産資源を維持することができるでしょう。
    こうした取り組みは、水産資源の維持だけでなく、豊かな海洋生態系を守ることにもつながるのです。

    海洋保護区(MPA)の拡大

    海洋保護区(MPA:Marine Protected Area)を拡大することも、SDGs14を実現するために必要な取り組みです。

    たとえば、パラオのロックアイランドやオーストラリアのグレートバリアリーフが挙げられるでしょう。
    パラオでは、海域の約80%を海洋保護区に指定しています。
    保護区では魚類の個体数が増加し、サンゴ礁の回復が確認されているため、美しい海洋環境を生かした観光資源としても活用されています。

    SDGs14では、当初、2020年までに沿岸域および海域の10%以上を保全することを目標としていました。
    しかし、海洋保護区は拡大しているものの、現在保護されている海域は約9%台にとどまっており、さらなる取り組みが求められています。
    そのため、2030年までに陸と海の30%以上を保全する30by30目標も国際的に推進されています。

    参照元:指標 14.5.1リンクウィズSDGsMONGABAY

    海洋酸性化・温暖化への対策

    海洋酸性化とは、海が大気中の二酸化炭素を吸収し酸性に近づく現象です。
    酸性化が進むと、サンゴや貝といった生物の成長に影響を及ぼし、海洋生態系が弱まってしまうでしょう。
    海洋温暖化とは、海水温が上昇する現象です。
    温暖化が進むと、サンゴの白化現象が起こりやすくなるほか、海藻藻場が衰退するなど、海洋生態系にさまざまな影響を及ぼします。

    そのため、世界各国は協力して生態系を守るための取り組みに注力しています。
    太陽光、風力、水力といった再生可能エネルギーの利用を増やし、できるだけ二酸化炭素の排出を削減する動きが進められています。
    こうした取り組みは、海洋酸性化や温暖化の進行を抑え、豊かな海を未来へ引き継ぐことにつながるのです。

    SDGs14「海の豊かさを守ろう」の実現に向けた日本企業の取り組み事例

    ここでは、SDGs14の実現に向けた日本企業の取り組み事例を紹介します。
    それぞれの企業が、海洋ごみの削減や海洋環境の保全に向けてさまざまな活動を行っています。
    取り組みを知ることで、SDGs14をより身近に感じられるでしょう。

    イムラ封筒「脱プラスチック活動」

    イムラ封筒では、プラスチック製だったスティックスパイス(細長いスティック状の小袋に入ったスパイス)を封筒型の紙パッケージに変え、脱プラスチックに取り組んでいます。
    包装資材の使用量を抑えるだけでなく、「瓶に入ったスパイスは使い切れない」という利用者の声にも配慮し、少量で使い切れる紙製パッケージを採用しました。
    パッケージの紙化を通じて、脱プラ・減プラを目指す動きです。

    緩衝材つき封筒についても、中の緩衝材をプラスチック製のエアクッションではなく紙製に変えて製作。
    紙製の緩衝材を採用したことで、廃棄時に分別する必要がなく、そのままリサイクルできるようになりました。

    参照元:SDGsへの取り組み紙パッケージ製品の開発紙Net封筒

    コーセー「SAVE the BLUE プロジェクト」

    化粧品メーカーのコーセーでは、「SAVE the BLUE プロジェクト」を展開。

    このプロジェクトでは、2009年から毎年沖縄でサンゴの植え付け活動を支援しています。
    また、対象商品の売上の一部を活用し、長野県Hakuba Valleyで使用される電力の再生可能エネルギーへの切り替えも実施。

    そのほか、使用済み容器を回収し、資源として循環させるリサイクルプログラムを行い、プラスチック容器のリサイクルを推進しています。

    参照元:雪肌精 SAVE the BLUE

    スマイリーアース「河川汚染問題に関する技術開発などの取り組み」

    スマイリーアースは、大阪でオーガニックのタオルや布製品を製造・販売する会社です。

    SDGs14の達成に向けて、タオル製造で発生する産業廃水による河川汚染を改善する技術開発に取り組み、大阪湾の環境保全に貢献。
    具体的には、産業廃水を無害化する技術開発や、製造時に使用する熱エネルギーを、石油からバイオマスエネルギーへ切り替えることで、環境負荷の軽減に取り組んでいます。

    また、工場見学を通じて、独自に開発した「環境に負荷をかけないタオルの生産プロセス」を広める活動にも注力しています。

    参照元:スマイリーアースのSDGs達成actionプラン

    リビエラグループ「ビーチクリーン活動などの取り組み」

    ウエディング事業などを展開するリビエラグループでは、ビーチクリーン活動の実施やサステナブルな水産物「ブルーシーフード」の採用などを進めています。

    ビーチクリーン活動では、毎月第2金曜日にリビエラ逗子マリーナ近くの材木座海岸で、社員がビーチや歩道のゴミを集め、海洋環境の保全に努めています。
    イベントやレストランでは、未来に健康な海を残すためサステナブルな水産物「ブルーシーフード」を提供。
    このほかにも、「アマモの育成支援」やイベントでのプラスチック素材の回収・廃止などに取り組み、SDGs14の達成に貢献しています。

    参照元:リビエラグループビーチクリーン活動 

    SDGs14実現に向けたほかの企業の取り組み事例については、以下の記事でも紹介しています。
    コンタクトレンズの空ケースをリサイクル!シードのSDGsとは! 

    SDGs14「海の豊かさを守ろう」の実現に向けた海外企業の取り組み事例

    ここでは、SDGs14の実現に向けた海外企業の取り組み事例を紹介します。
    自分でも何ができるのかを考える参考にしてください。

    海洋プラスチック削減イニシアティブ「NextWave」

    「NextWave」は、大手IT企業のデル(Dell Technologies)と環境NGOのロンリーホエール(Lonely Whale)によって設立されました。
    企業や科学者、NGOが連携し、海へ流出するプラスチックごみを回収して消費者向け製品として再利用することを目指すイニシアティブです。

    デルをはじめ、イケア(IKEA)やハーマンミラー(Herman Miller)など世界の企業が参加し、それぞれ海洋プラスチックごみの削減に取り組んでいます。
    回収したプラスチックごみは、収集センターで選別・細断された後、リサイクル施設で樹脂やペレットへ加工され、新たな製品の原料として活用されています。

    参照元: Sustainable Japan 

    キューリグ・グリーン・マウンテン「リサイクル可能なコーヒーカプセル開発の取り組み」

    アメリカ発のコーヒー・飲料企業であるキューリグ・グリーン・マウンテン(Keurig Green Mountain)(現キューリグ・ドクター・ペッパー(Keurig Dr Pepper) ) では、K-Cupを、回収・再利用しやすい素材へ切り替える取り組みを行っています。
    K-Cupとはコーヒーマシンで使用するカプセル型容器のことで、使用後にプラスチックごみとなるためです。

    これまでのプラスチックカプセルからリサイクルしやすい素材に変え、使用済みカプセルを回収して、分別・再資源化する仕組みを整えました。
    回収したプラスチックは、物流で使用するパレットなどの製品に再加工され、製造現場で再利用されます。

    また、リサイクルできることを伝えるラベルも導入し、利用者が分かりやすいように工夫しています。

    参照元:株式会社カップス

    インターフェイス「廃棄漁網を活用した製品づくり」

    インターフェイス(Interface)は、アメリカの床材(タイルカーペット)メーカーです。

    フィリピンの漁村コミュニティやイタリアの繊維会社、ロンドン動物学会と連携し、廃棄された漁網をタイルカーペットの原料として再利用する「ネットワークス(Net-Works)」プロジェクトを実施しました。
    回収した漁網は、洗浄・再生処理を経てナイロン素材へ生まれ変わり、タイルカーペットの原料として活用されています。

    このプロジェクトを通じて、海洋ごみの削減と海洋環境の保全に貢献しています。

    参照元:GBGP

    リサイクルについて詳しく学びたい人は、以下の記事を参考にしてください。
    【今日からできる】リサイクルをゼロから解説!SDGsとの関連も! 

    SDGs14達成に向けて私たちにできること

    ここまで、SDGs14の実現に向けたさまざまな取り組みや事例を紹介してきました。
    SDGs14の達成に向けては、私たち一人ひとりができることも多くあります。
    難しく考える必要はありません。
    まずは、できることから取り組んでみましょう。

    サステナブル・シーフード(MSC・ASC認証)を選ぶ

    スーパーで魚を購入する際には、サステナブル・シーフードを選んでみましょう。
    サステナブル・シーフードとは、海の資源や環境に配慮し、将来も水産資源を利用できるように生産・漁獲された水産物です。

    スーパーでは、MSC認証(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)やASC認証(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)のラベルが貼られた水産物を選ぶとよいでしょう。

    MSC認証は、海洋環境に配慮した獲り方を守っている水産物に与えられる認証ラベルで、「海のエコラベル」と呼ばれています。

    引用元:日本水産資源保護協会 


    ASC認証は、責任ある養殖によって生産された水産物に与えられる認証ラベルです。

    引用元:ASC Japan


    いずれの認証も、漁獲・養殖から加工・流通まで厳しい審査をクリアした水産物に与えられます。
    そのため、サステナブル・シーフードを選ぶことは、持続可能な漁業や養殖を支え、SDGs14「海の豊かさを守ろう」の実現につながると言ってよいでしょう。

    家庭から出るプラスチックごみを減らす

    プラスチックごみの一部は、適切に処理されずに川や海へ流れ込み、海洋生物に悪影響を及ぼすことがあります。

    たとえば、飲み物をマイボトルに入れて持ち歩けば、ペットボトルの使用を減らすことが可能です。
    また、エコバッグを使うことでレジ袋の削減にもつながるでしょう。
    そのほか、プラスチック容器を使わない固形シャンプーを選んだり、詰め替え用の商品を活用してボトルを繰り返し使ったりすることも効果的です。

    日常生活の中で少し意識するだけでも、海へ流れ出るプラスチックごみを減らせ、SDGs14の実現に貢献できます。

    海や地域の清掃活動に参加する

    海や地域の清掃活動に参加してみましょう。
    海岸や川、街中で行われる清掃活動に参加することも、SDGs14達成に近づく身近な取り組みの一つです。

    清掃活動は、自治体やNPOなどの団体が定期的に実施しており、インターネットで検索すると、近くで開催されるごみ拾いのボランティアを見つけられる場合があります。
    海のない地域でも、川や街中のごみを減らすことは、最終的に海へ流れ出るごみの削減につながります。

    ぜひ、家族や友人を誘って参加してみてはいかがでしょうか。

    私たちができる取り組みについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
    SDGs14「海の豊かさを守ろう」とは?現状・課題と家庭でできる取り組み 

    SDGs14「海の豊かさを守ろう」に関するよくある質問

    SDGs14の世界の取り組みにはどのようなものがあるの?

    世界では、プラスチックごみの削減やリサイクルの推進、持続可能な漁業の推進といった取り組みに注力しています。
    たとえば、使い捨てプラスチックの規制規制に反する漁業の取り締まりなどが挙げられます。

    SDGs14の実現のため、日本が取り組んでいることは?

    日本では、海洋プラスチックごみ対策や海岸漂着物の回収・処理などが進められています。
    レジ袋の有料化やサステナブル・シーフードの提供などを行い、海洋保全に取り組んでいます。

    企業はどのようなSDGs14の取り組みをしているの?

    日本や海外の企業では、海洋保全活動への参加やリサイクル可能な製品の開発、廃棄された漁網を再利用した製品づくりなど、環境に配慮した幅広い取り組みが行われています。

    まとめ|SDGs14の取り組みを知り、できることから始めよう

    SDGs14の実現に向けて、日本だけでなく世界でも国レベルでさまざまな取り組みが行われています。
    企業でも、プラスチック製品を紙製へ切り替えたり、リサイクル可能な容器を採用したりするなど、それぞれの企業ならではの工夫が行われています。

    一方、私たちができることも多くあります。
    サステナブル・シーフードを選ぶ、家庭から出るプラスチックごみを減らすなど、普段の生活の中で少しだけ意識して、できることから取り組んでみましょう。
    一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、海の豊かな未来を守り、SDGs14の実現につながっていきます。

    SDGsについてより詳しく学びたい人は、以下の本がおすすめです。
    【SDGs本】子どもと一緒に読むならこれ!おすすめ9選

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